副業を始めて最初に立ちはだかる壁が、確定申告です。私自身、44歳のときに副業ライターを始め、初年度の所得が年間28万円を超えた瞬間に「これは申告しなきゃいけないのか」と慌てた経験があります。本記事では、あの時の自分が知りたかった内容を、初めての人でも迷わないように手順と必要書類の順番でまとめました。会社員のままで副業をしている40代の方を主な読者として想定しています。
そもそも副業の確定申告は誰が必要なのか
国税庁のルールは意外とシンプルで、会社員が副業をしている場合は「副業の所得が年間20万円を超えたら確定申告が必要」と定められています。ここで重要なのは、売上ではなく「所得」である点です。所得とは、売上から経費を差し引いた残りの金額を指します。
たとえば副業ライターで年間50万円稼いでも、書籍代や通信費など経費が35万円かかっていれば、所得は15万円となり申告不要です。あなたの去年の副業売上はいくらでしたか。経費を引いたあとの金額を一度計算してみてください。
ただし、住民税は20万円以下でも申告義務があります。ここを見落とすと、後から市区町村から問い合わせが来ますので注意してください。
確定申告の3ステップ
確定申告の作業を、私の経験から3つのステップに分解します。
- 1年分の収入と経費を集計する(1月〜2月前半)
- 申告書を作成する(2月後半〜3月前半)
- 税務署に提出する(3月15日まで)
このうち、初めての人がもっとも時間を取られるのが「ステップ1の集計」です。私の初年度は領収書を1年分ためてから集計を始めて、3日間ほぼ徹夜になりました。今ではfreeeに毎月5分だけ入力する習慣がついていて、確定申告そのものは半日で終わります。
必要書類のチェックリスト
会社員が副業の確定申告をするときに、最低限そろえておきたい書類は次のとおりです。
- 本業の源泉徴収票(会社からもらえる、12月か1月に配布)
- 副業の支払調書または取引履歴(クライアントから発行、なくてもOK)
- 経費の領収書・レシート1年分
- 通帳のコピー(売上が振り込まれた口座)
- マイナンバーカードまたは通知カード
- 還付金を受け取る口座番号
- 印鑑(電子申告なら不要)
- 国民年金の控除証明書(該当する人のみ)
- 生命保険料の控除証明書(同上)
- 医療費控除の領収書(年間10万円超の人のみ)
私の場合、初年度で領収書が約120枚ありました。これをノートに貼って保存していたので集計が大変でしたが、2年目からはレシート撮影アプリで都度スマホに記録するようにして、年末の手間が9割減りました。
freeeとマネーフォワードクラウド、どちらを使うべきか
会計ソフトを使わない確定申告は、副業所得が年間30万円を超えたあたりから現実的ではなくなります。代表的な2サービスを比較しました。
| 項目 | freee会計 | マネーフォワード クラウド確定申告 |
|---|---|---|
| 月額料金(個人事業主スターター) | 1,180円 | 1,408円 |
| 画面の分かりやすさ | 初心者向け、ガイド充実 | やや慣れが必要 |
| 銀行・カード連携 | 2,500社以上 | 2,400社以上 |
| スマホアプリの使い勝手 | 非常に良い | 良い |
| 電子申告対応 | 対応 | 対応 |
| サポート体制 | チャット中心 | メール中心 |
| 向いている人 | 初めての確定申告で迷いたくない人 | 複数事業を管理したい人 |
私は1年目freeeでスタートし、3年目からマネーフォワードに乗り換えました。乗り換え理由は本業給与もまとめて家計簿アプリと連携したかったからで、機能差というより家計全体の使い勝手の問題でした。初めての方にはfreeeを強くおすすめします。理由は、ガイドに沿って質問に答えていくだけで申告書がほぼ完成するからです。
体験談1:交通費を1年間記録し忘れて15万円損した話
これは本当に悔しい話なのですが、副業初年度、クライアント先への打ち合わせで使った電車代を記録し忘れていました。スマホのSuica履歴をさかのぼって計算したところ、年間で約58,000円分の交通費が経費計上漏れしていたことが判明しました。所得税と住民税を合わせた節税額に換算すると、おおよそ15,000円分の損失です。この経験から、翌年以降はSuicaアプリから毎月CSVをエクスポートしてfreeeに取り込む運用に変えました。
体験談2:青色申告に切り替えて節税額が18万円増えた話
副業所得が安定して年間100万円を超えてきた3年目、開業届を出して青色申告に切り替えました。青色申告特別控除は最大65万円。これだけで課税所得が65万円減るため、所得税率20%・住民税10%の私の場合、年間でおよそ19万5,000円の節税効果が出ました。手続きは税務署に開業届と青色申告承認申請書の2枚を提出するだけで、所要時間は窓口で15分程度。「会社にバレるのが怖い」と思っていましたが、住民税の徴収方法を「自分で納付」にチェックすればまず問題ありません。
初めての人がやらかしがちなミス7選
私や周囲の副業仲間がやらかしてきたミスを7つ並べておきます。あなたが同じ失敗をしないように。
- 売上を「振込日」ではなく「請求日」で計上していなかった
- 家事按分を全くやっていなかった(家賃の一部を経費にできる)
- 源泉徴収済みの報酬を二重課税してしまった
- マイナンバーカードを期限切れで電子申告できなかった
- 領収書の保管期間(7年)を知らず捨ててしまった
- 副業20万円ルールを「売上20万円」と勘違いしていた
- 住民税の申告を忘れて市役所から呼び出された
特に最後の住民税の件は、20万円以下でも申告義務があるという落とし穴です。意外と知られていないので、覚えておいてください。
提出方法は3つある
申告書ができあがったら、提出方法は次の3通りから選びます。
- e-Tax(電子申告):自宅から24時間提出可能、青色申告控除65万円フル適用
- 税務署窓口:対面で確認しながら提出、3月は混雑必至
- 郵送:消印有効、ただし控えに受領印が必要なら返信用封筒同封
私は初年度だけ税務署窓口で提出しました。3月10日に行ったら2時間半待たされたので、2年目以降は迷わずe-Taxにしています。マイナンバーカード方式なら、スマホ1台あれば提出が完了します。
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まとめ
副業の確定申告は、最初の1回さえ乗り越えれば、2年目以降は驚くほどラクになります。重要なのは、年間所得20万円を超えたら必ず申告すること、住民税は20万円以下でも申告対象であること、領収書は7年保管が必須であること、この3点です。会計ソフトはfreeeかマネーフォワードのどちらかを月額1,200円前後で導入し、毎月5分の入力習慣をつければ、3月の修羅場は確実に避けられます。年明けすぐに動き出せば、提出期限の3月15日まで余裕を持って準備できますよ。


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