「自分の知識やスキルを売れたらいいのに」と一度は思ったことがあるはずだ。
実はそれ、Udemyなら割と現実的にできる。Udemyは世界最大級のオンライン学習プラットフォームで、2026年時点で受講者数は7,500万人を超えている。日本語コースの需要も年々増えていて、プログラミング、デザイン、マーケティング、Excel、英語――ありとあらゆるジャンルの講座が売れている。
自分は2024年の秋にExcel関連の講座を1本出した。正直、最初は「こんなので売れるのか?」と半信半疑だった。でも1年半経った今、その1本の講座だけで月平均3万8,000円の収益が入ってきている。寝ている間も、旅行中も、仕事中も。一度作ったら勝手に売れ続ける。これが「不労収入」という言葉の意味を初めて実感した瞬間だった。
ただし、「講座を出せば誰でも稼げる」わけではない。Udemyには現在、21万本以上のコースが存在していて、埋もれる講座のほうが圧倒的に多い。稼げる講座と稼げない講座の差はどこにあるのか。この記事では、Udemy講師として月5万円の不労収入を作るための具体的な手順を、自分の体験をもとに書いていく。
Udemy講師の収益モデルを理解する
報酬の仕組み
まずUdemyの報酬体系を押さえておこう。ここを理解せずに始めると、「あれ、思ったより入ってこない」と感じることになる。
Udemyの収益分配は、販売チャネルによって大きく変わる。
| 販売チャネル | 講師の取り分 | 具体例(2,400円の講座) |
|---|---|---|
| 講師のプロモーション(自分のリンク経由) | 97% | 2,328円 |
| Udemy自然検索・おすすめ経由 | 37% | 888円 |
| Udemyの有料広告経由 | 25% | 600円 |
| Udemy Business(法人向け) | 受講時間比例 | 変動制 |
この表を見て驚いた人もいるのではないだろうか。自分のリンクで販売すれば97%もらえるのに、Udemy経由だと37%まで下がる。この差は大きい。
ただ実際のところ、売上の大半はUdemyのプラットフォーム経由で発生する。Udemyはセール時に1,200〜1,800円まで値下げして大量に売るスタイルなので、1件あたりの講師報酬は400〜700円程度になることが多い。月5万円を稼ぐには、月に70〜125件の販売が必要になる計算だ。
Udemyのセール文化を理解する
Udemyを語るうえで避けて通れないのが「セール」の存在だ。Udemyは年間を通じて頻繁にセールを行っていて、定価2万4,000円の講座が1,200円で売られることも珍しくない。
「定価の95%オフ? ふざけてるの?」と最初は思った。でもこれがUdemyのビジネスモデルで、セールで大量に売ることで受講者を獲得し、レビューが溜まり、ランキングが上がり、さらに売れるという循環を作っている。
講師側も、セールに乗っかるほうが結果的に稼げる。定価で月に2本しか売れないよりも、セール価格で月に100本売れたほうが総収益は大きい。この割り切りができるかどうかが、Udemy講師として稼げるかの分かれ目だと感じている。
稼げる講座ジャンルの選び方
需要と供給のバランスを見る
講座を作る前に、ジャンル選びが最重要だ。Udemyでどのジャンルが売れているか、2026年4月時点のデータを共有する。
日本語コースで売れているジャンルTOP5:
- プログラミング・IT(Python、Web開発、AWS)
- ビジネススキル(Excel、PowerPoint、プロジェクト管理)
- デザイン(Figma、Canva、UI/UX)
- マーケティング(SNS運用、SEO、広告運用)
- AI・ChatGPT活用(プロンプトエンジニアリング、業務自動化)
2026年現在、特にAI関連の講座は需要が爆発的に伸びている。ChatGPTやClaude、Geminiを業務で使いこなすための講座は、出せばそれなりに売れる市場環境にある。
ただし、人気ジャンルは競合も多い。Python入門の講座はすでに100本以上あるので、「Python入門」だけでは埋もれる。「営業職のためのPython自動化」「40代からのPython入門」のように、ターゲットを絞ることが差別化のカギになる。
ニッチを狙う戦略
あなたが「プログラミングもデザインもできない」と思っているなら、安心してほしい。Udemyで売れているのは、必ずしもハイスキル系だけではない。
自分が出しているExcel講座は、正直そんなに高度な内容ではない。VLOOKUP、ピボットテーブル、条件付き書式――中級者レベルの知識を「経理部向け」に特化して教えている。「経理の実務で使うExcel」という切り口にしたことで、ターゲットが明確になり、レビューでも「まさに仕事で必要だった内容」と高評価をもらえた。
あなたの本業の知識は、必ず誰かの「学びたいこと」になる。経理、人事、営業、マーケティング、プロジェクト管理――何であれ、「本業で当たり前にやっていること」を体系的に教えるだけで講座になる。
講座の作り方【ステップバイステップ】
ステップ1:コース設計(1〜2週間)
講座を作る前に、まずコース全体の設計を行う。ここが甘いと、途中で「何を話せばいいか分からない」状態に陥る。
設計で決めるべき5つのこと:
1. ターゲット受講者: 誰に向けた講座か。「初心者向け」ではなく「営業職3年目でExcelが苦手な人」くらい具体的に
2. ゴール: 受講後に何ができるようになるか
3. カリキュラム: セクション(大見出し)とレクチャー(各動画)の構成
4. 動画の長さ: 1レクチャーあたり5〜15分が理想。合計2〜4時間のコースが売れやすい
5. 価格帯: 後述するが、日本語コースは2,400〜12,000円が主流
ステップ2:スライド・教材の準備(1〜2週間)
動画の撮影に入る前に、スライドや教材を作り込む。Udemyの講座で最も多いのは「スライド+音声ナレーション」の形式で、顔出しは必須ではない。
スライド作成にはGoogleスライドやCanvaを使えば無料でできる。1スライドに詰め込みすぎず、要点を3〜5個に絞るのがコツだ。
ステップ3:撮影・録画(2〜4週間)
ここが一番時間がかかるところだ。
必要な機材:
– マイク: 3,000〜5,000円のUSBコンデンサーマイクで十分。音質は受講者の満足度に直結するので、ここだけはケチらないほうがいい
– 画面録画ソフト: OBS Studio(無料)、Loom(無料プランあり)
– スライド: Googleスライド(無料)
自分が最初の講座を撮影したとき、1レクチャー(10分の動画)を撮るのに3時間かかった。噛む、言い間違える、「えーっと」が多い。でもこれは慣れの問題で、10本目くらいから1レクチャー30分程度で撮れるようになった。
完璧を求めすぎないのが大事だ。多少の言い間違いやつまりがあっても、内容が良ければ受講者は気にしない。むしろ「人間味があって聞きやすい」というレビューをもらったこともある。
ステップ4:編集・アップロード(1〜2週間)
動画編集はDaVinci Resolve(無料)やiMovieで十分だ。凝った編集は不要で、不要な間をカットする程度でOK。
Udemyへのアップロードは、管理画面からドラッグ&ドロップで行える。動画のアップロード後、Udemyの審査が入る。審査期間は通常3〜5営業日。コンテンツの品質(音質、画質、内容の正確性)がチェックされる。
価格設定の戦略
最初は低めに設定して実績を作る
価格設定は悩むところだが、自分の経験則ではこうだ。
最初のコースの推奨価格: 2,400円
理由は2つ。1つ目は、低価格のほうが受講者が集まりやすく、レビューが早く溜まること。Udemyではレビューの数と評価が検索ランキングに大きく影響する。10件以上のレビューがつくと、Udemy内の検索で上位に表示されやすくなる。
2つ目は、Udemyのセール時に実質的な値下げ幅が小さくなること。定価2,400円ならセール価格1,200円でも50%オフ。定価24,000円だとセール価格1,200円で95%オフになり、「安売りしすぎ」感が出る。
レビューが30件以上溜まったら、徐々に値上げしていけばいい。実績のあるコースは高くても売れる。
月5万円達成のための具体戦略
複数コースで収益を分散する
1本のコースだけで月5万円を稼ぐのは正直ハードルが高い。自分のExcel講座が月3万8,000円と書いたが、これは1年半かけてレビューが150件以上溜まった結果だ。
現実的な戦略は、3〜5本のコースで月5万円を分散させること。1コースあたり月1〜2万円の収益があれば、合計で5万円に到達する。
月5万円の収益モデル例:
– コースA(Excel応用): 月1万5,000円
– コースB(PowerPoint資料作成): 月1万2,000円
– コースC(Googleスプレッドシート入門): 月1万円
– コースD(業務効率化ツール活用): 月1万3,000円
– 合計: 月5万円
関連するジャンルで複数コースを出すと、「この講師の他のコースも受けたい」とクロスセルが発生する。これが不労収入を積み上げるコツだ。
Udemy外での集客が鍵
Udemyのプラットフォーム内だけで戦うと、Udemyのアルゴリズムに振り回される。自分でコントロールできる集客チャネルを持つことが安定収入の鍵になる。
効果的な外部集客チャネル:
– YouTube: 講座の一部を無料公開して、「もっと学びたい方はUdemyで」と誘導
– Twitter(X): 学習Tips を投稿して、フォロワーに講座を告知
– ブログ: SEO記事から講座への導線を作る
– メールマガジン: 無料の教材を配って、メルマガ登録者に新講座を告知
自分のリンク経由で販売すれば報酬は97%になるので、月に10本自分のリンクで売れば、それだけで2万円以上になる。この差は大きいと思わないだろうか。
よくある失敗と対策
失敗1:完璧主義で出せない
一番多い失敗がこれだ。「もっとスライドを作り込まなきゃ」「もっと上手に喋れるようになってから」と準備を続けて、いつまでも講座をリリースできない人。
断言するが、最初のコースは60点の出来でいい。Udemyのいいところは、公開後にいつでも動画を差し替えられること。受講者からのフィードバックを受けて改善していけばいい。「まず出す。改善は後から」が鉄則だ。
失敗2:ニーズを調査しない
「自分が教えたいこと」と「受講者が学びたいこと」は違う。講座を作る前に、Udemyの検索窓にキーワードを入力して、どんな講座が売れているか、レビューで何が求められているかをリサーチする。既存の人気講座のレビューには「こういう内容も欲しかった」というヒントが山ほど転がっている。
失敗3:マイクの音質が悪い
受講者が最も不満に感じるのは、音声の品質だ。画質は多少粗くても許されるが、音がこもっていたり、ノイズが入っていたりすると、すぐに低評価がつく。最低でも3,000円程度のUSBマイクは用意してほしい。エアコンの音や生活音が入らない環境で録音することも重要だ。
Udemy講師を始める前に知っておくべきこと
税金の扱い
Udemyからの収入は雑所得(または事業所得)として確定申告が必要だ。年間20万円以上(給与所得者の場合)の副業収入がある場合は必ず確定申告をしよう。Udemyは米国企業なので、W-8BENフォームの提出が必要になる。これをやらないと、米国で30%の源泉徴収が引かれてしまう。
競合が増えている現実
2025年から2026年にかけて、日本語のUdemy講座は急増した。特にAI関連は参入者が多い。ただ、「量が増えた=質が上がった」わけではない。実務経験に基づいた実践的な講座は依然として少ない。あなたの本業の知識を活かした講座は、十分に差別化できる余地がある。
あなたが今持っているスキルや経験で、Udemyの講座を作ることを想像してみてほしい。もし「自分には教えられることなんてない」と思うなら、それはほぼ間違いなく思い込みだ。5年以上のキャリアがある人なら、必ず誰かに教えられる知識を持っている。
まとめ:Udemy講師は時間をかけて資産を作るビジネス
Udemy講師の魅力は、一度作った講座が自動で売れ続ける「資産型」のビジネスであること。最初の講座を作るのに1〜2ヶ月かかるが、その後は月々のメンテナンス(質問対応、内容の更新)程度で済む。
月5万円の不労収入を作るには、3〜5本のコースを半年〜1年かけてリリースしていくのが現実的なロードマップだ。焦らず、まずは1本目の講座を完成させることに集中してほしい。最初の1本が出せたら、2本目以降は驚くほどスムーズに作れるようになる。





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